まちの人。やまの人。


私達は、山で生活しています。

しかし、山から供給される木材を多く使い、水を多く使うのは町の人達です。

山と町はものによってつながっています。
私達は、“もの”だけのつながりを、“人”のつながりにしたいと考えています。

「私たちの作った製品を使うまちの人って、どんな人たちだろう」
「その人は、木材や水が生まれた場所、そこで生きている私達のことを知っているだろうか」

そう思って始めたのが、森林体験ツアーや、九州の山と町を結ぶNPO法人の活動です。

体験ツアーでは、町から来た人を山や工場に案内したり、植林や、椎茸の駒打ち、木工などを体験してもらいます。毎回頂く参加者からの感想や声は、山で暮らす私達にとって自信や励みになり、山の大切さを改めて考えるきっかけにもなります。

100年後、200年後、日本の森林の姿はどうなっているでしょうか。

責任は誰が負うのでしょうか?
町の人、山の人が一緒になって、かけがえのない森林を残したい。

私達が残す森林は私達の子供たちが引き継ぎます。

その基礎を、今、作っておきたいのです。

間伐材を使う、樹皮を捨てない


木材を生産し、その供給場所となる森林を育成する。

その過程で生産される木質材の中で、利用価値が低いために廃棄される部分があります。

しかし、私達は、森林の円滑な循環のために

廃棄される部分を「もったいない」と考えます。

そのために、樹皮と間伐材を有効利用することにも取り組んでいます。

(バーク)

丸太を製材する際に丸太の樹皮を剥ぎます。

製材の作業に伴って生産される年間800立米のバークと呼ばれる樹皮を、産廃として廃棄するのではなく、環境への負荷の少ない形で利用しているのが、バーク堆肥です。

バーク堆肥は、バークを3年以上かけて発酵させて作ります。

出来上がったバーク堆肥は、グランドのクッション材や、土壌改良剤、また植物の栽培にも使われています。

(間伐材)

植林した森林では、樹木の生長に伴って様々な手入れを行います。間伐もその作業の1つです。

間伐は、木で込み合った森林の中から、生長の良くない木や、曲がった木などを中心に間引きを行う作業です。

現在、日本の人工林の8割が樹齢45年以下の森林で、間伐の手入れをする必要があります。

しかし、間伐には費用がかかりますが、間伐によって伐採した木は、建材としての用途が低いため、

木を売ってその費用を賄うことが難しく、多くの森林所有者は間伐をしたがりません。

間伐を行わないと森林内が暗くなり、成長が悪くなった木は、病害虫や風雪の被害を受けやすく、

価値が下がってしまいます。それだけではなく、もやしのような木が生えている森林では、土砂災害なども起こりやすくなります。

間伐材を有効利用し収益を上げることが、間伐を進める鍵になるのではないでしょうか。

間伐材を使った様々な製品の製造、販売を私達が行っているのは、健全な森林を維持するためなのです。

直に見て触れて欲しいから、気持ちを入れる


よい原木を使い、
1本づつ、製材を行い、
こだわって乾燥をさせる。

このようにしてできた材を最終的にお客様に届ける前の仕上げが、かんながけです。

仕上が終わったあと、最終的に、ひとつひとつの材をチェックし出荷をします。

全ての材が今説明した工程をたどります。

一本の木が山から切り出され、材料として皆さんの手元に届くまで、一体、どのくらいの期間が必要でしょうか?

答えは、最低でも約3ヶ月です。

その間に、多くの人の手と、気持ちによって「津江杉」の材が作られていきます。

木の家に住むことは、町にいても森林とつながっていることです


木の家は、呼吸をしています。

空気中の湿度が高いとき、木は湿気を吸収します。

反対に、空気が乾燥してくると、木の中にある水分を空気中に放出します。

木の家は湿気の多い夏に涼しく、乾燥した冬に暖かいといわれるのは、木に調湿機能があるからです。

木には調湿作用があるだけではなく、断熱性が高く室内の気温を保つこと、独特の木目や、香り、光の反射によって生じる“ゆらぎ”が人に快い環境を提供することなど多くの長所があります。

もちろん、木には燃えやすい、材が全て均一な性質をもつのではない、などの短所もあります。

ホルムアルデヒドなど、人の体に有害な化学物質を使ったり、

その性質をよく知らないままに木を使った家を建てたり、

そのような家づくりを進めるつもりはありません。

住む人が安心して、心地よく、永く住むことができる家。

その家を建てることが日本の森林を守ることにつながっている家。

そのような家づくりを目指している、地域に密着した工務店が「津江杉」を使ってくれています。

家

「津江杉」を使うことが、森林を守り、森林で働く人の育成にもつながります。

「津江杉」の家に住むことは、町にいても津江の森林とつながっていることです。

「津江杉」の家を見ると、私達は確かな材を提供する責任を感じます。

「表に出しても」自信のある材であること


スギは、木を切った直後ではその50%が水分です。伐採後、木材から徐々に水分が抜け、自然に十分乾燥させた場合木材中の水分は18%前後に落ち着きます。乾燥するに伴って、木材は収縮し堅くなります。

木材が十分に乾燥する前に建物等に使用すると、使用後徐々に乾燥が進み、木材が収縮するので建物のゆがみ等の原因になってしまいます。

だから、「津江杉」も出荷前に十分な乾燥を行っています。

「津江杉」の乾燥は輪掛け乾燥、中温乾燥とともに時間をかけて乾燥させます。

なぜ時間をかけて乾燥させるのでしょうか。

それは、高温による材の変色・匂いの変化を防ぎ、「津江杉」の特徴であるきれいな赤み、甘い匂いを残すため。

また、乾燥が急激に進むと、材の芯が割れてその強度が落ちる可能性が高くなるからです。

全ての材、隠れる可能性が大きな構造材もこのような理由のため、じっくり乾燥させて「津江杉の柱」は「見せることのできる柱」になるのです。

  • 構造材は含水率25%以下
  • 柱材は含水率20%以下
  • 集成材は13%に安定させる

木、1本1本を見る


(貯木場)
「津江杉」の原木は、製材をされる前に、熟練した目によって1本1本選別されます。

この選木という作業は、節の有無や目(年輪)のつまり具合を確認し、挽く材の種類を決め、振分けをする、大事な作業になります。年間8,000立米、10tトラックで約270台分の原木は全てこの作業を通ります。

(製材)

木によって、また、木の部位によって異なる性質を見極めながら製材をし、初めて木はその特性を十分に発揮することができます。それは、木が生きていて、水分を含んでいるからです。木は、乾燥するに従って、育った環境の影響などが現れます。具体的には、挽いたばかりの時は真直ぐであった材が、乾燥に伴いねじれたり、反ったりしています場合があるのです。

製材の機械化が進んでいる中で、なぜ人の存在が欠かせないのか、
それは、木の性質や癖を1本1本見極めることに長年かけてきた目に、機械ではとうていかなわないからです。

材を挽くとき、材を見る担当者の目は真剣です。それは、1本1本の木のクセを短時間で見極めることに集中しているからです。

津江杉の基準


(樹齢60年以上)
なぜ、樹齢の高い木を使うのでしょうか?

木の幹は、毎年外側に向って肥大成長します。これは、幹の外周部分に新しい細胞を作る器官があり、毎年、古い細胞の外側に、バームクーヘンの層のように、新しい層が加わるからです。この層を年輪と呼び、年輪の数を数えることでその木の年齢を知ることができます。つまり、幹の内側は古く、外側は若くて新しい。幹の中で、若くて新しい外側の部分を辺材と呼びます。若い辺材は、ぱさつきやすく、また乾燥する際に狂いが生じやすいという欠点がります。

辺材は年数を経ると水分や養分を通さくなり、新陳代謝を行わなくなります。この部分を心材と呼びます。

心材は代謝を行いませんが、油脂を分泌したり、虫等が寄り付きにくくなる成分を分泌するようになり、色も濃くなります。また、材自体が年数を経ることで落ち着き、製材をした後の狂いも少なくなります。

樹齢が高い材ほど心材の割合が高くなり、つまり、丸太取った材の狂いが少なくなります。

また、樹齢が高いにもかかわらず健康できれいな原木を出せるのは、若い頃から適切な管理をされた森林からです。

このような理由から、トライ・ウッドでは樹齢60年以上の木を選んでいるのです。

(年輪)

年輪は、若い頃から除伐、枝打、間伐等の手入れをされた森林では、つまり、幅が均一になります。

年輪の幅が均一だと、材全体の強さや性質も均一と言えます。
そして、年輪の幅がつまっている材ほど、比重が重くなり、強い材になります。

このように、「津江杉」は原木の段階で「木を見る目」を持ったものによって厳選されているのです。

自分の家で使いたい材を作る


もう1つのサイクル、私たちの生活の場。

森林から出されたばかりの丸太は、すぐに町で使うことはできません。
丸太を、町の工務店さんや、一般の家庭で使えるようにするのが、製材や加工の作業です。

近年、自然や環境に関心のある方を中心に国産材・地域材を使って家を建てることが増えています。

私達は、「国産材」や「地域材」というブランドだけで都市の方々を引きとめられるとは考えていません。

高品質の「国産材・地域材」を届けることで、都市の人々に安心して、大事に使ってもらえるよう努力することが、山で働く私達の義務だと考えています。

基本は「自分が、自分の家で使いたい材を作る」
自分が欲しいと思わないものを買っていただくことは、出来ません。

「地域材」の中で、私たちが「欲しい」と思えるものだけを選び抜き、丁寧に製材します。

そして、自信を持って顔の見えるお客様に届けられるものだけを「津江杉」として出荷しています。

これから丸太から津江杉になるまでの過程を説明します。

大木に挑む

大木に挑む


大型林業機械の導入が推進され、山で働く若い人が増えていますが
しかし、山の人はいいます。

「大木の伐採は、若いものには任せられない」

これは時代に逆行する発言ではありません。

木の伐採は、失敗すると木そのものが使い物にならないだけでなく
周囲の木に当って被害を及ぼしたり、人間の命にも関わってきます。

樹齢100年になる大木ではその影響も大きく、経験と知識、技術を必要とするのです。
山での作業は、たとえ機械化が進んだとしても
経験・知識・技術を有する熟練者の育成も必要不可欠なのです。
トライ・ウッドでは、社員の平均年齢は37歳。社員はそれぞれが固有の技術、知識を身につけていきます。


伐木ムービーはこちら

木を切ることは、悪いことでしょうか?

木を切ることは、悪いことでしょうか?


木を切ることは、悪いことでしょうか?

山は、手を加えずに自然に任せるべきなのでしょうか?

日本の森林面積の1/3を占める人工林。その1本1本の木は、全て人の手によって植えられたものです。

人工林では、単一の木が密集して植えられていて、その森林は人の手による雑草木の除去や間伐を行わなければ、森林は健康な状態を維持することができません。

人工林については、人の手が入ることが必要なのです。

日本の森林は、その大半が急峻な山々に成立しています。

人工林もやはり急な斜面にあり、農業機械や建設用の機械のような重機を使うことが困難です。

木を植える植栽、木がまだ小さい時、雑草を刈り払って、木が雑草との競争に負けないようにする下刈り、除伐など 草刈機や資材を持って山を登り、作業をするので、きついだけでなく危険も伴う作業です。

さらに危険度が増すのが、間伐や伐採、搬出の作業です。

高さが平均20m以上になる木を根元から倒し、急な斜面から出します。

十数年前まではこの作業のほとんどが人力で行われていたため、林業の仕事は厳しく、多くの危険が伴いました。

それは、林業労働者が自分たちの子供に林業以外の仕事を勧めた理由にもなりました。

そして、後継者が減り、林業はさらに厳しくなっていきました。

現在、重労働の軽減、作業の効率化、事故の軽減のために、大型の林業機械の導入が進められています。

そして、山に若い人が徐々に増えています。私たちが心強く思うのは、その新しい林業従事者の4割が、町から山にあこがれて来てくれた人達であるということです。

(私達は町から来てくれた人達をどのように受け入れるか、真剣に考えなければなりません。古い山のしきたりに固執せず、町からの人達と一緒に、どのように新しい山村の形を作るか、考えなければなりません。)