床倍率の説明


  • ★ 床倍率とは、壁の強さを表す壁倍率と同じように床の強さを表す指標です。
  • ★ 壁のように壁量(=長さ x 壁倍率)を用いず、床倍率そのものでチェックを行います。
  • ★ 品確法性能表示独自のチェック項目です。
  • ★ 床倍率には、大臣認定制度の仕組みが無いため、性能評価機関の独自評価となります。
床倍率

絵で見る 「木質バイオマス」

今までは化石燃料を使っていました

化石燃料は、長い間地中に埋まって、硫黄や窒素などの厄介な物質を取り込みながら出来ました。化石燃料を燃やすと、二酸化炭素の他に、窒素や硫黄の化合物も発生して、大気汚染の原因になっています。


生物燃料を使うと

木から家などの材料を作る時、使われない部分がたくさん出来ます。製材所から出される、それらの残廃材から作られる木質バイオマス( 生物燃料 )を使うことは、森林の利用や整備が進み、健康な森林が増えることにつながりますます。

そして、健康な森林は、水や大気の浄化、災害を防ぐ機能を十分に発揮することが出来るようになります。


参考図書:『木の家に住むことを勉強する本』 (泰文館

絵で見る〝間伐〟

間伐とは、木の間引きの作業のことです。植林をされてから20年以上たった林では、木が密集しています。

間伐をして、大きくなるスペースや、十分な光、水、栄養を一本づつの木与えます。

間伐をしていないと

木が狭い土地に立ちこめて、光や水、栄養が不足してしまいます。

間伐をしていないと

間伐をすると

木と木に間ができます。木1本づつが光や水、栄養をたっぷり使えます。

間伐をすると

上手な伐木方法


伐木作業は段取りをきちんと正確にすることが重要です。安全で確実に倒せる方法と方向で伐採します。

安全距離
伐木作業に取り掛かる前に、伐採する立木の樹高の最低2倍の距離内に誰もいないことを確認します。
伐倒方向
伐倒する立木に行くまでに伐木の段取りを練り始めます。
立木が枯損木(枯れた木、折れた木、曲がり木、病気や虫に侵された木、傷がある木)であるか?
伐倒した時、落下の恐れがある枯枝や折れ枝があるかどうか?
傾いているかどうか?
伐倒後の作業方向を考えて伐倒する方向は?

後に続く枝打ち作業が、腰下から膝までの間で枝の切り払いができることが望ましいです。

伐倒前準備
1.伐倒作業の障害となる周囲の下草、潅木や浮石などを除去します。伐倒した時に、潅木や藪、枝などが伐倒木を跳ね返す恐れがあるため、伐倒方向にある障害物も取り払います。
2.両方の伐倒方向に45度の退避区域内にある障害となる潅木や藪を除去します。
3.伐倒する立木の下枝払いから始めます。下枝払い作業は肩の高さまで、それ以上の高さの作業は厳禁です。
受け口切り
受け口切りの方法はいろいろあります。伐倒木の材質、地形やその土地の流儀によってその方法はさまざまです。
今回紹介する受け口切りはヨーロッパで広く適応されている一般的な方法です。
  • ・平坦地かやや傾斜する地形
  • ・受け口切りの角度は45度~70度
  • ・受け口切りの上切りは追い口と同じ水平切り
  • ・追い口は受け口と水平化、それよりも少し上の辺りに切り込みを入れる
  • <長所>一番簡単な方法・切り株が低い
  • <短所>伐倒木が地面に倒れる前につるが折れてしまう

きやどんは以上のようなことを注意しながら日々伐木作業をしています。このことを踏まえて伐木ムービーを見てください。

まちの人。やまの人。


私達は、山で生活しています。

しかし、山から供給される木材を多く使い、水を多く使うのは町の人達です。

山と町はものによってつながっています。
私達は、“もの”だけのつながりを、“人”のつながりにしたいと考えています。

「私たちの作った製品を使うまちの人って、どんな人たちだろう」
「その人は、木材や水が生まれた場所、そこで生きている私達のことを知っているだろうか」

そう思って始めたのが、森林体験ツアーや、九州の山と町を結ぶNPO法人の活動です。

体験ツアーでは、町から来た人を山や工場に案内したり、植林や、椎茸の駒打ち、木工などを体験してもらいます。毎回頂く参加者からの感想や声は、山で暮らす私達にとって自信や励みになり、山の大切さを改めて考えるきっかけにもなります。

100年後、200年後、日本の森林の姿はどうなっているでしょうか。

責任は誰が負うのでしょうか?
町の人、山の人が一緒になって、かけがえのない森林を残したい。

私達が残す森林は私達の子供たちが引き継ぎます。

その基礎を、今、作っておきたいのです。

間伐材を使う、樹皮を捨てない


木材を生産し、その供給場所となる森林を育成する。

その過程で生産される木質材の中で、利用価値が低いために廃棄される部分があります。

しかし、私達は、森林の円滑な循環のために

廃棄される部分を「もったいない」と考えます。

そのために、樹皮と間伐材を有効利用することにも取り組んでいます。

(バーク)

丸太を製材する際に丸太の樹皮を剥ぎます。

製材の作業に伴って生産される年間800立米のバークと呼ばれる樹皮を、産廃として廃棄するのではなく、環境への負荷の少ない形で利用しているのが、バーク堆肥です。

バーク堆肥は、バークを3年以上かけて発酵させて作ります。

出来上がったバーク堆肥は、グランドのクッション材や、土壌改良剤、また植物の栽培にも使われています。

(間伐材)

植林した森林では、樹木の生長に伴って様々な手入れを行います。間伐もその作業の1つです。

間伐は、木で込み合った森林の中から、生長の良くない木や、曲がった木などを中心に間引きを行う作業です。

現在、日本の人工林の8割が樹齢45年以下の森林で、間伐の手入れをする必要があります。

しかし、間伐には費用がかかりますが、間伐によって伐採した木は、建材としての用途が低いため、

木を売ってその費用を賄うことが難しく、多くの森林所有者は間伐をしたがりません。

間伐を行わないと森林内が暗くなり、成長が悪くなった木は、病害虫や風雪の被害を受けやすく、

価値が下がってしまいます。それだけではなく、もやしのような木が生えている森林では、土砂災害なども起こりやすくなります。

間伐材を有効利用し収益を上げることが、間伐を進める鍵になるのではないでしょうか。

間伐材を使った様々な製品の製造、販売を私達が行っているのは、健全な森林を維持するためなのです。

直に見て触れて欲しいから、気持ちを入れる


よい原木を使い、
1本づつ、製材を行い、
こだわって乾燥をさせる。

このようにしてできた材を最終的にお客様に届ける前の仕上げが、かんながけです。

仕上が終わったあと、最終的に、ひとつひとつの材をチェックし出荷をします。

全ての材が今説明した工程をたどります。

一本の木が山から切り出され、材料として皆さんの手元に届くまで、一体、どのくらいの期間が必要でしょうか?

答えは、最低でも約3ヶ月です。

その間に、多くの人の手と、気持ちによって「津江杉」の材が作られていきます。

木の家に住むことは、町にいても森林とつながっていることです


木の家は、呼吸をしています。

空気中の湿度が高いとき、木は湿気を吸収します。

反対に、空気が乾燥してくると、木の中にある水分を空気中に放出します。

木の家は湿気の多い夏に涼しく、乾燥した冬に暖かいといわれるのは、木に調湿機能があるからです。

木には調湿作用があるだけではなく、断熱性が高く室内の気温を保つこと、独特の木目や、香り、光の反射によって生じる“ゆらぎ”が人に快い環境を提供することなど多くの長所があります。

もちろん、木には燃えやすい、材が全て均一な性質をもつのではない、などの短所もあります。

ホルムアルデヒドなど、人の体に有害な化学物質を使ったり、

その性質をよく知らないままに木を使った家を建てたり、

そのような家づくりを進めるつもりはありません。

住む人が安心して、心地よく、永く住むことができる家。

その家を建てることが日本の森林を守ることにつながっている家。

そのような家づくりを目指している、地域に密着した工務店が「津江杉」を使ってくれています。

家

「津江杉」を使うことが、森林を守り、森林で働く人の育成にもつながります。

「津江杉」の家に住むことは、町にいても津江の森林とつながっていることです。

「津江杉」の家を見ると、私達は確かな材を提供する責任を感じます。

「表に出しても」自信のある材であること


スギは、木を切った直後ではその50%が水分です。伐採後、木材から徐々に水分が抜け、自然に十分乾燥させた場合木材中の水分は18%前後に落ち着きます。乾燥するに伴って、木材は収縮し堅くなります。

木材が十分に乾燥する前に建物等に使用すると、使用後徐々に乾燥が進み、木材が収縮するので建物のゆがみ等の原因になってしまいます。

だから、「津江杉」も出荷前に十分な乾燥を行っています。

「津江杉」の乾燥は輪掛け乾燥、中温乾燥とともに時間をかけて乾燥させます。

なぜ時間をかけて乾燥させるのでしょうか。

それは、高温による材の変色・匂いの変化を防ぎ、「津江杉」の特徴であるきれいな赤み、甘い匂いを残すため。

また、乾燥が急激に進むと、材の芯が割れてその強度が落ちる可能性が高くなるからです。

全ての材、隠れる可能性が大きな構造材もこのような理由のため、じっくり乾燥させて「津江杉の柱」は「見せることのできる柱」になるのです。

  • 構造材は含水率25%以下
  • 柱材は含水率20%以下
  • 集成材は13%に安定させる

木、1本1本を見る


(貯木場)
「津江杉」の原木は、製材をされる前に、熟練した目によって1本1本選別されます。

この選木という作業は、節の有無や目(年輪)のつまり具合を確認し、挽く材の種類を決め、振分けをする、大事な作業になります。年間8,000立米、10tトラックで約270台分の原木は全てこの作業を通ります。

(製材)

木によって、また、木の部位によって異なる性質を見極めながら製材をし、初めて木はその特性を十分に発揮することができます。それは、木が生きていて、水分を含んでいるからです。木は、乾燥するに従って、育った環境の影響などが現れます。具体的には、挽いたばかりの時は真直ぐであった材が、乾燥に伴いねじれたり、反ったりしています場合があるのです。

製材の機械化が進んでいる中で、なぜ人の存在が欠かせないのか、
それは、木の性質や癖を1本1本見極めることに長年かけてきた目に、機械ではとうていかなわないからです。

材を挽くとき、材を見る担当者の目は真剣です。それは、1本1本の木のクセを短時間で見極めることに集中しているからです。