津江杉の基準


(樹齢60年以上)
なぜ、樹齢の高い木を使うのでしょうか?

木の幹は、毎年外側に向って肥大成長します。これは、幹の外周部分に新しい細胞を作る器官があり、毎年、古い細胞の外側に、バームクーヘンの層のように、新しい層が加わるからです。この層を年輪と呼び、年輪の数を数えることでその木の年齢を知ることができます。つまり、幹の内側は古く、外側は若くて新しい。幹の中で、若くて新しい外側の部分を辺材と呼びます。若い辺材は、ぱさつきやすく、また乾燥する際に狂いが生じやすいという欠点がります。

辺材は年数を経ると水分や養分を通さくなり、新陳代謝を行わなくなります。この部分を心材と呼びます。

心材は代謝を行いませんが、油脂を分泌したり、虫等が寄り付きにくくなる成分を分泌するようになり、色も濃くなります。また、材自体が年数を経ることで落ち着き、製材をした後の狂いも少なくなります。

樹齢が高い材ほど心材の割合が高くなり、つまり、丸太取った材の狂いが少なくなります。

また、樹齢が高いにもかかわらず健康できれいな原木を出せるのは、若い頃から適切な管理をされた森林からです。

このような理由から、トライ・ウッドでは樹齢60年以上の木を選んでいるのです。

(年輪)

年輪は、若い頃から除伐、枝打、間伐等の手入れをされた森林では、つまり、幅が均一になります。

年輪の幅が均一だと、材全体の強さや性質も均一と言えます。
そして、年輪の幅がつまっている材ほど、比重が重くなり、強い材になります。

このように、「津江杉」は原木の段階で「木を見る目」を持ったものによって厳選されているのです。

自分の家で使いたい材を作る


もう1つのサイクル、私たちの生活の場。

森林から出されたばかりの丸太は、すぐに町で使うことはできません。
丸太を、町の工務店さんや、一般の家庭で使えるようにするのが、製材や加工の作業です。

近年、自然や環境に関心のある方を中心に国産材・地域材を使って家を建てることが増えています。

私達は、「国産材」や「地域材」というブランドだけで都市の方々を引きとめられるとは考えていません。

高品質の「国産材・地域材」を届けることで、都市の人々に安心して、大事に使ってもらえるよう努力することが、山で働く私達の義務だと考えています。

基本は「自分が、自分の家で使いたい材を作る」
自分が欲しいと思わないものを買っていただくことは、出来ません。

「地域材」の中で、私たちが「欲しい」と思えるものだけを選び抜き、丁寧に製材します。

そして、自信を持って顔の見えるお客様に届けられるものだけを「津江杉」として出荷しています。

これから丸太から津江杉になるまでの過程を説明します。

大木に挑む

大木に挑む


大型林業機械の導入が推進され、山で働く若い人が増えていますが
しかし、山の人はいいます。

「大木の伐採は、若いものには任せられない」

これは時代に逆行する発言ではありません。

木の伐採は、失敗すると木そのものが使い物にならないだけでなく
周囲の木に当って被害を及ぼしたり、人間の命にも関わってきます。

樹齢100年になる大木ではその影響も大きく、経験と知識、技術を必要とするのです。
山での作業は、たとえ機械化が進んだとしても
経験・知識・技術を有する熟練者の育成も必要不可欠なのです。
トライ・ウッドでは、社員の平均年齢は37歳。社員はそれぞれが固有の技術、知識を身につけていきます。


伐木ムービーはこちら

木を切ることは、悪いことでしょうか?

木を切ることは、悪いことでしょうか?


木を切ることは、悪いことでしょうか?

山は、手を加えずに自然に任せるべきなのでしょうか?

日本の森林面積の1/3を占める人工林。その1本1本の木は、全て人の手によって植えられたものです。

人工林では、単一の木が密集して植えられていて、その森林は人の手による雑草木の除去や間伐を行わなければ、森林は健康な状態を維持することができません。

人工林については、人の手が入ることが必要なのです。

日本の森林は、その大半が急峻な山々に成立しています。

人工林もやはり急な斜面にあり、農業機械や建設用の機械のような重機を使うことが困難です。

木を植える植栽、木がまだ小さい時、雑草を刈り払って、木が雑草との競争に負けないようにする下刈り、除伐など 草刈機や資材を持って山を登り、作業をするので、きついだけでなく危険も伴う作業です。

さらに危険度が増すのが、間伐や伐採、搬出の作業です。

高さが平均20m以上になる木を根元から倒し、急な斜面から出します。

十数年前まではこの作業のほとんどが人力で行われていたため、林業の仕事は厳しく、多くの危険が伴いました。

それは、林業労働者が自分たちの子供に林業以外の仕事を勧めた理由にもなりました。

そして、後継者が減り、林業はさらに厳しくなっていきました。

現在、重労働の軽減、作業の効率化、事故の軽減のために、大型の林業機械の導入が進められています。

そして、山に若い人が徐々に増えています。私たちが心強く思うのは、その新しい林業従事者の4割が、町から山にあこがれて来てくれた人達であるということです。

(私達は町から来てくれた人達をどのように受け入れるか、真剣に考えなければなりません。古い山のしきたりに固執せず、町からの人達と一緒に、どのように新しい山村の形を作るか、考えなければなりません。)

木を切るところから始まります


木を切ったところから、私達は2つのサイクルを通して森林に関わります。

1つのサイクルは、森林で。

木の伐採後、その土地が再び森林となるために、土地を整地し、木を植えます。

そして、長い年月をかけて手入れをした後、再び伐採をし、新しいサイクルに入ります。

もう1つのサイクルは、人間の生活の営みの中で。

伐採された木は、建物、家具、紙、様々なものへと形を変え、また農林業に利用されながら木材という形で私達の生活の中で循環をしています。

2つのサイクルを円滑に行ってきた山村では森林を生息場所とする多くの生命を維持し、森林自体の生命活動がきれいな水、空気を供給してきました。

そして、森林を中心とした文化が生まれ、山村らしい景観が保たれてきました。

都市の近代化と、山村の過疎化が同時に進み、2つのサイクルの関係も以前とは違う形に変化してきました。

変化している2つのサイクルをうまくかみ合わせ、循環させることがかけがえのない森林を将来に渡って残すために必要です。

まず、1つ目のサイクルの中心となる
森林管理についてお話します。

山へ、行ったことはありますか?


町に住む皆さんは、環境問題、森林破壊、資源の枯渇、等の問題について考えたことがあるでしょうか。

もちろん、と答えた方
では、森林や山について考えたことはありますか?

ここでも、もちろん、と答えた方。
森林や山へ、行ったことはありますか?

それは、どれくらいの頻度で?毎月?年1回?
その目的はなんですか?行楽ですか?生活のためですか?

町で生活をする人と森林や山の関わりは、年数回、気分転換に訪れる時だけに限られているのでしょうか?

そうではありません。

私たちが毎日飲んでいる水は、山から流れ出ています。

私たちが住む家の材料は、山で育てられて、切り出されたものです。私たちが消費する多くのものが、実は山からの恵みなのです。

トライ・ウッドは、森林が町の97%を占める山深い上津江村にある総合林業会社です。

総合という名の通り、様々な事業を行っています。
事業の中心となる考えは、
森林を中心とした循環型社会を維持することです。

森林の管理

  • 森林から出された木材を、町で使えるようにする木材加工
  • 森林の管理や、木材加工の時にでる副産物を利用した加工

物を作るのではなく、森林と町を結ぶソフト面に対する活動です。