人ありき…

家族や個人の身体および精神の健康や社会福祉のために必要な居住環境って?

そもそも私たちの“健康”を脅かすものって何だろう。。

原始時代の人たちは、外敵や風雨から身をまもるため洞穴で寝食

なら、“健康”を脅かすものって、 
その1 外敵?
その2 風雨?

外敵というのはこの時代ともかく、
風雨をしのぐというのは確かに大事な要素。
しかも、ただ雨風しのぐだけではダメです。
ここ日本では、台風・地震から身を守れないとダメです。
だから「強い家」が求められている。

けれど、私たちの“健康”を脅かすものは本当にそれだけなのでしょうか?
以下にご注目!
住宅に関する主な健康リスク 
①室内空気汚染による呼吸器や循環器の疾患
②極度の暑さや寒さによる疾病や死亡
③貧困な生活状態に起因する伝染病の拡大
④住宅での負傷
【WHO(世界保健機関)欧州による住宅と健康に関する大規模な疫学調査(3400世帯約8500人の居住者からの聞き取り調査)の結果より】

特に①が気になります。
その具体的内容には、不十分な換気による喘息症状、受動喫煙による子供の急性気管支炎・肺炎、湿気・カビによる喘息・気管支炎・うつ症状・片頭痛といったものがあるようです。

私たちは一日の大半を室内で過ごしますが、
「室内空気」というのがこんなにも人体に影響を与えているのだということは
言われてみれば確かに!と思いますが、意外と気づいてない。。。

私たちはもっと真剣に室内の空気のことを考えてみる必要がありそうです。

conservationについて その2

四六時中津江杉のことばかり考えて、、、
私が思うに、
conservationという考え方で
注意しなければならないことがひとつあると思う。

「森を守るために、木を使う」
というのと
「木を使うから、森が守られる」

これは同じようで実は同じじゃない。

前者は、“守るために”という前提のもと、使うことを少々強要している感があって、
しかも、木なら何でも良さそうな感じもする。
それでいいのか?

木は、どこで使うのか。
家、家具、食器、、、、
人の住まいの中に数知れず。

世界保健機構(WHO)は、
居住環境とは、家族や個人の身体および精神の健康や社会福祉のために
必要または要求される全ての必要なサービス、施設、設備、装置を含む構造で、
シェルターや周辺地域に人類が利用する物理的構造であると定義しているらしい。

やっぱり、人ありきの木材っていうのが基本。
そういう意味で後者のほうがしっくりくる。
必要とされる木材を生産することが前提で、
それを使うことが結果、森を守ることに繋がった。
そんな構図はいたって自然で無理がない。
無理がないっていうのは、持続性にもつながると思う。

後者にはまえがきが必要
「人に、家に必要とされる木材をつくる。
そうして木を使うから、森が守られる。」

あ、あとがきもある。
「森も守られ、地域も守られる。」

追記.
本当はわざわざ言わなくても
「そんなの当り前」ってみんなが思い始めるのが理想。
がんばらなきゃ!

conservation

トライ・ウッドのいろんなところに出てくるこのマーク

結構大事なロゴマークです。

津江杉については先だってのブログで少々お話したところ…
では、この「conservation」って何だろうって話です。

英和辞書で調べてみると…
conservation
(資源・運動・文化財などの)保護、管理、保存

ネットで検索してみると…
(自然環境・芸術作品などの)保護。保存。保全。

トライ・ウッドではどちらかというと「保護」というよりも「保全」という意味合いで使用しています。
保護と保全、何が違うのか…

保存(保護)=もともとある自然にいっさい手を加えない
保全=あるていど手を加えながら管理する

人工林は“いっさい手を加えない”では確かな森にならないですから。
 
津江杉の基本はconservationなのです。
木材を利用しながら、森林を管理する
古くから続く林業の基本はここにあるのではないかと思っていますし、
こうして連綿と続いてきたものを次へ繋ぐのは、
今我々がその基本を引き継げるかどうかではないかと思うのです。。

トライ・ウッドには、
木材を利用するために、きづくりびと(木材加工部)
森林を管理するために、きやどん(森林保全部)
がいます。

基本を引き継ぐため、過去を振り返りながら、未来を見据えて、一歩一歩です。